2024.02.20(火)

さつまいもの一大生産地!なめがたしおさい農業協同組合による行方かんしょへの「強すぎるこだわり」とは?

さつまいもの一大生産地!なめがたしおさい農業協同組合による行方かんしょへの「強すぎるこだわり」とは?

さつまいもの産地として名高い茨城県行方市。

2023年には「行方かんしょ」が地理的表示(GI)保護制度に登録され、今後さらなる需要が期待されています。そんな行方市のさつまいもづくりを支える存在なのが、JAなめがたしおさいです。
同組合のさつまいもに関する様々な取り組みが、今注目を集めています。行方かんしょを全国、ひいては世界へと美味しく届けるために、どのような取り組みをしているのでしょうか。

JAなめがたしおさいの野原さんに伺いました。

さつまいもだけじゃない!実は日本一のピーマン産地

JAなめがたしおさいは、茨城県の東南部に位置しています。このあたりはさつまいものみならず路地野菜やハウス野菜の栽培が盛んで、ピーマンに関しては日本一の生産量を誇ります。都心まで100km圏内という立地から首都圏への生鮮野菜の供給が多く、東京で生活する方にとって無くてはならない生産地だと言えるでしょう。

行方かんしょの生産者のうち、JAなめがたしおさいの組合員は恐らく7割〜8割ほどに上ると野原さんは話します。「他の近隣の農協さんと比べても、JAなめがたしおさいは農協のシェア率が飛び抜けて高いと思います。畑は既に使い切っていて、農家さんはもうこれ以上増えることがない状態であることは私にとって嬉しい限りですね」

さつまいもの一大生産地!なめがたしおさい農業協同組合による行方かんしょへの「強すぎるこだわり」とは?

甘さの種類にも違いがあるってホント?

名産地として生産者同士のまとまりも感じられる「行方かんしょ」ですが、JAなめがたしおさいは地理的表示(GI)保護制度への登録をはじめとした対外的な発信や見せ方についてもさまざまな取り組みを行っています。

「商品の箱ひとつとっても、色々なデザインを用意して用途によって使い分けています。そもそも一番最初のコンセプトは、お菓子を買う感覚で食べてもらいたいというものでした。」

さつまいもの一大生産地!なめがたしおさい農業協同組合による行方かんしょへの「強すぎるこだわり」とは?

野原さんによると、さつまいもの甘さは4つの糖成分(ショ糖・麦芽糖・ブドウ糖・果糖)により構成されているそうです。

「検査機関で詳しく調べたところ、紅はるかは麦芽糖が多いため水飴のような甘さで、紅まさりはブドウ糖と果糖が少し多いため果物のような上品な甘さが特徴です」

さつまいもの一大生産地!なめがたしおさい農業協同組合による行方かんしょへの「強すぎるこだわり」とは?

品種ごとの違いを分析し、焼き芋に向いている品種選びや品種・サイズの違いによるベストな焼き方の提案もしており、JAなめがたしおさいの皆さんによるさつまいも愛がひしひしと伝わります。

行方かんしょが選ばれる決め手「品種リレー出荷」

JAなめがたしおさいでは、先述の科学的に分析した食味データを元に品種ごとの出荷時期を調整することで、年間を通した切れ目ないさつまいもの出荷を実現しています。

「収穫後すぐに食べても甘い『紅優甘』から出荷し、一定期間貯蔵することで上品な甘さになる『紅まさり』、長期間貯蔵することでさらに美味しさを増す『紅こがね』へと、いつでも甘くて美味しい焼き芋を味わっていただけるような出荷体制を築いています」

さつまいもの一大生産地!なめがたしおさい農業協同組合による行方かんしょへの「強すぎるこだわり」とは?

品種一つひとつの時期ごとの味の違いまで数値化して、一番美味しい状態のものを食べてもらえるようにコントロールしているとは驚きです。甘い焼き芋がいつでも食べられるのは、このような地道な努力の積み重ねによるものだったんですね。ちなみに、野原さんが一番お気に入りの品種は「紅優甘」だそうです。

行方かんしょに関わるという誇り

産地独自のさらなる貯蔵へのこだわりである「キュアリング」については、こちらの記事で詳しくご紹介します。
さつまいもがいつでも甘くて美味しいのってなんで?さつまいもを守る「キュアリング」とは!?

最後に、野原さんへ今後の行方かんしょについての想いを伺いました。

「今ひとつテーマにしているのは、『誇り』です。農家さんはもちろんJAも含め、行方かんしょに関わっていることにたいしての誇り、自分たちの所にはこれがあるという強いがあることで次の世代にも続いていくと思うので、今にも増して誇りを持てるような特産品にしていきたいですね」