焼き芋の香りでととのうことはできるのか? サウナで実験!

こんにちは。「365日焼き芋を食べる熱波師」天谷窓大(あまや そうた)です。
焼き芋アンバサダーを務めながら、サウナで熱波師としても活動しています。

焼き芋とサウナ、一見関係がないように見える2つの領域ですが、さつまいもに含まれる糖化酵素が働く適温がサウナとほぼ同じ温度帯(65〜80℃)であり、「人もさつまいもも同じ条件で『ととのう』」こと、また、どちらも快感を形成するために香りが大きな要素を果たしていることがわかりました。

「サウナでも、焼き芋の香りで『ととのう』ことができるのでは?」
今回の記事は、この疑問の検証編。サウナをはじめ、全国各地のサウナで広く使われるアロマを手掛ける専門企業「SeaAroma(シーアロマ)」の協力をいただき、試作していただいた「焼き芋アロマ」を実際にサウナで試します!
行方産紅はるかを分析してアロマが完成! カギは「栗・バラ・ほうじ茶」の香り
合成素材を一切使わず、天然の精油成分のみを組み合わせてオリジナルな香りを作り出しているSeaAromaさん。前回の記事では同社の戸澤桂子さんに行方産紅はるかの焼き芋を味わっていただき、感じた香りの要素を分析していただきました。

株式会社SeaAroma 戸澤佳子さん

その結果わかったのは、焼き芋の香りを構成する香り成分。戸澤さんいわく、焼き芋の香りには、栗やほうじ茶、いちど、さらに醤油などの香り要素が感じられたといいます。
さらに調べると、焼き芋の香りには焼き菓子やパンの「焼き立ての匂い」を構成する「マルトール」や、バラなどの香りを構成する「フェニルアセトアルデヒド」といった物質が関わっていることが判明。
これらの情報をもとに、戸澤さんにさまざまな精油成分をブレンドしていただき、この世にたった一つしかない「焼き芋アロマ」を試作していただきました!

ラベルには美味しそうな焼き芋のイラストが。キャップを開けて香りをかぐと、ふわっと甘酸っぱく、バラの花を思わせる優雅な香りが立ち上ります。


この香り、まさにトロトロに熟成した紅はるかの焼き芋!
サウナで試すのが楽しみです。
人気のサウナ施設で“香りの魔術師”熱波師に「焼き芋アロマ」を試してもらった!
今回実験に協力していただいたのは、千葉県浦安市の「ととのい整作所(せいさくしょ)」。

千葉県浦安市の個室サウナ「ととのい整作所」
東京メトロ東西線・浦安駅前の西友浦安店2Fにある店内はスタイリッシュで落ち着いた雰囲気につつまれ、予約制の個室サウナに加え、ヘッドスパやアイブロウを受けることもできます。


実験では、店内で一番広いサウナ「アドバンスルーム」をお借りしました。10人ほどが座れる二段ベンチを持つサウナには、大型サウナルーム用の強力なサウナヒーターが完備され、体の芯まで温まることができます。


サウナ室の外には、専用の水風呂とシャワー、そして「ととのいチェア」。他の利用客を気にせず、贅沢なサウナ時間が楽しめます。


さらに今回は、私が一緒に活動する熱波師仲間にも協力してもらいました。
彼の名前は「熱風力達也(ねっぷうりき・たつや)」さん。専門店で購入した高級茶葉を煮出して作った紅茶を熱したサウナストーンにかけて蒸発させ、サウナ室を芳醇な香りで満たすことを得意としています。

熱波師 熱風力達也さん

美味しい香りを繰り出す達人である達也さんなら、「焼き芋アロマ」のポテンシャルを最大限に引き出してくれるはず……!
まず達也さんに、SeaAromaさんに作ってもらった「焼き芋アロマ」を嗅いでもらいました。

達也さん「うん! 焼き芋の甘〜い香りがする! 精油だけを組み合わせてこんなにハッキリと強い香りが出るなんて驚きです。これはサウナで使うのが楽しみですね!」

「焼き芋の香り」をサウナに放ってわかった、驚きの感覚
サウナ室に入り、アツアツになったサウナヒーターに達也さんがアロマウォーターをかけ、香りのつまった蒸気(ロウリュ)をつくります。

まずは達也さんがいつも使っている、かぼちゃとさつまいもの紅茶を試してもらうことに。
熱せられたサウナストーンに達也さんポットで注ぐと、「シューッ」という音とともに熱い蒸気と香ばしい匂いが満ちていきます。


鮮やかなフォームでタオルを仰ぎ、立ち込めた蒸気を撹拌する達也さん。

紅茶とサウナ、本当に相性がいいな……。
この時点ですでに脱力気分、外の世界のモヤモヤが薄れていきます。

さて、いよいよ「焼き芋アロマ」でロウリュしてもらいます。

サウナストーンの温度は200℃以上。

そしてサウナ室の温度は80℃。さつまいもの糖化がもっともよく働く温度帯である温度帯です。焼き芋にもサウナにも最高の環境!!

達也さんが「ラドル」と呼ばれる柄杓でアロマ水をかけていくと、サウナ室全体に甘い香りが立ち込めました。

栗のような、味までも感じるような甘い香りに、バラを思わせる鮮やかな芳香、そしてそこに寄り添うように立ち上がるほうじ茶のような焙煎香……。この匂い、とろっとろに焼きあげた紅はるかを割ったときの、あの匂いです!

達也さんにも座ってもらい、一緒にその香りを体験してもらうことに。
達也さん「うわぁ、まさしく焼き芋の香りですね!」

さわやかさ、甘さに加えて「おいしい匂い」に包まれていると、さきほどの紅茶の香り以上に身体がリラックスするのを感じます。正確にはリラックスに加えて食欲が湧いてくるというか、何だか気分が上向いてきたような。たまらなく「そそられる」匂いです。

と、ここで意外な発見が。時間が経つにつれて、焼き芋アロマの香りがサウナ室内部の木の香りと混ざりだしました。焼き芋の皮を思わせる、渋みにも似た焙煎香がさらに加わって、よりリアルな「焼き芋の香り」に。サウナ室でなければ見つけられなかった発見です!
サウナから上がったあとも、身体からは焼き芋の甘い香りがしっかりと残っていて、まるで自分自身が焼き芋になった気分。
ととのいイスに座って内気浴をしていると、徐々に身体がクールダウンして、より香りをハッキリと感じられるようになりました。

焼き芋も焼いてから一定時間冷やすと蜜が出てより甘さと香りが凝縮しますが、「焼き芋アロマ」でも同じような気分を味わえるとは。サウナでかいた汗も、まるで蜜のように感じられました。
結論:サウナでも、焼き芋の香りで『ととのう』ことができる! しかも自分が焼き芋になった気分を味わえる!
サウナと焼き芋、想像以上に相性が良いことがわかりました。これはサウナ界にも焼き芋界にも、新たなムーブメントが起きるかもしれません。
「焼き芋×サウナ」、あなたも体験してみませんか?

<協力>
■株式会社SeaAroma
https://seaaroma.co.jp/
■ととのい整作所
https://totonoi-seisakusyo.jp/
千葉県浦安市北栄1-14-1 西友浦安店 PartⅡ2F
営業時間:9:00〜24:00(個室サウナ、最終受付22:35)
ビジター料金:(ととのいルーム)70分4,950円、90分6,600円/(アドバンスルーム)70分5,500円、90分7,000円、120分9,000円 同伴1名につき2,200円
■熱波師 熱風力達也さん
https://x.com/Tatsuya_Neppa