焼き芋の聖地行方市で「焼き芋サミット」開催!

2025年1月17日、焼き芋の聖地とも言われる茨城県行方市で「焼き芋サミット」が開催されました。このイベントは、焼き芋に関する最新トレンドや技術、取り組みを紹介する場として初めて開かれ、全国各地から焼き芋業界の関係者が集まりました。
今回は「北海道産さつまいも」の新たな可能性や、コンビニでも人気の「冷やし焼き芋」など、注目のテーマで講演やトークセッションが行われました。その様子を詳しくお伝えします!

焼き芋サミットの会場には、さつまいも農家、焼き芋店、農協、産地自治体、メーカーなど、なんと187名もの焼き芋関係者が集結しました。

まず、焼き芋サミットinなめがた実行委員会の鈴木周也行方市長の挨拶があり、その後、各プログラムがスタートしました。
① 講演:「焼き芋の甘さの正体」(12:20〜12:50)
登壇者:
・農研機構北海道農業センター 片山 健二 氏
最初のプログラムは、農研機構北海道農業センターの片山氏による「焼き芋の甘さの正体」という講演でした。
焼き芋の甘さを左右する要因や品種ごとの糖度の違い、近年開発された新品種の特徴、栄養価など、研究成果に基づいた貴重な情報が紹介されました。

② 事例紹介:「焼き芋の輸出について」(12:55〜13:20)
登壇者:
・なめがたしおさい農業協同組合 金田 富夫 氏
次に登壇したのは、なめがたしおさい農業協同組合の金田氏です。「焼き芋の輸出について」と題した講演では、輸出産地としての供給体制の構築、貯蔵技術、輸送中の品質保持の工夫など、現場のリアルな取り組みが語られました。
海外市場での焼き芋の可能性を感じさせる内容で、グローバル展開への期待が高まる講演でした。

③ トークセッション:「焼き芋ブームと新産地“北海道”」(13:25〜13:55)
登壇者:
・東京青果株式会社 土物グループマネージャー 狩野 純一 氏(ファシリテーター)
・ホクレン農業協同組合連合会 課長 浅川 崇 氏
このトークセッションでは、「焼き芋ブームと新産地“北海道”」をテーマに、東京青果株式会社の狩野氏とホクレン農業協同組合連合会の浅川氏が、北海道におけるさつまいもの生産拡大の取り組みを紹介しました。
栽培、集荷、流通における体制構築の工夫にも触れ、北海道産焼き芋の“ブランド化”への期待が膨らむ内容でした。

④ トークセッション:「冷やし焼き芋の可能性」(14:00〜14:45)
登壇者:
・さつまいも農カフェきらら 新谷 梨恵子 氏(ファシリテーター)
・東京青果株式会社 土物グループマネージャー 狩野 純一 氏
・カルビーかいつかスイートポテト株式会社 中村 園子 氏
・株式会社ファーマインド 遠藤 昂 氏
次のセッションでは、近年コンビニでも見かけるようになった「冷やし焼き芋」の可能性について話し合われました。
一年中焼き芋を楽しみたいというニーズに応える商品として人気が高まっていることや、今後の市場拡大の展望について各社の意見が交わされました。各社の取り組み事例も紹介され、焼き芋業界の新しいトレンドとして注目されました。

⑤ トークセッション:「アフターコロナの焼き芋屋事情」(14:55〜15:40)
登壇者:
・ファシリテーター:焼き芋を365日食べる熱波師 天谷 窓大 氏
・OIMO cafe 武田 浩太郎 氏
・よっしーのお芋屋さん。 吉川 ゆうじ 氏
・蜜芋研究所 岡部 勝義 氏
このセッションでは「アフターコロナの焼き芋屋事情」と題し、業界を代表する焼き芋店の経営者がそれぞれの近況や取り組みを語りました。
コロナ禍で増加した焼き芋専門店の経営事例や、焼き芋ビジネスの多様化について紹介され、「ブームから定着へ」と変わりつつある焼き芋市場の現状が浮き彫りになりました。

⑥ 事例紹介:「〜農福連携による焼き芋戦略〜 焼き芋自販機・非常食・飲める焼き芋」(15:45〜16:15)
登壇者:
・株式会社農福産業 代表 児玉 雄二 氏
最後の講演では、農業と福祉を結びつける“農福連携”の視点から、焼き芋自販機などの新しいビジネスモデルが紹介されました。障がい者の雇用創出とビジネスの両立という社会的意義も大きく、参加者の関心を集めました。

講演終了後には、会場に隣接する「らぽっぽ なめがたファーマーズヴィレッジ」の紹介も行われました。

そして最後に、焼き芋サミットinなめがた実行委員会の鈴木周也行方市長より「焼き芋サミットinなめがた宣言」が行われ、サミットは幕を閉じました。

サミット終了後には交流会も開催され、多くの参加者が親睦を深めました。さらに12種類もの焼き芋を食べ比べるイベントも開催され、長蛇の列ができるほどの大盛況。焼き芋の人気の高さを改めて実感する機会となりました。

全体を通して、「焼き芋をめぐる産地、技術、ビジネスモデルがこれまで以上に多様化している」という印象を受けました。特に、コロナ禍を経ての変化や、海外輸出を見据えた取り組み、農福連携による新しいビジネスモデルなど、地域活性と社会貢献が結びついた新しい事例が次々に生まれていることが非常に刺激的でした。
次回の開催にも大きな期待が寄せられています!