さつまいも愛を身につける。さつまいもアパレルグッズを行方市から発信
スイーツのイベントなのに、食べられないさつまいも!?
全国から厳選したさつまいもスイーツのお店と、さつまいもを愛してやまないさつまいもファンが一堂に集結する「夏のさつまいも博」に行方市も二つのブースを出店しました。年間約2万トンも生産している行方かんしょ(さつまいも)を使った冷凍焼き芋や干し芋を販売する「行方かんしょSHOP」。そして、スイーツを販売するお店が軒を連ねるなか、特に異彩を放っていたのが、さつまいも偏愛家“なめがたさん”が身につけたい「さつまいもグッズ」を販売する「さつ恋POP UP STORE」です。
食べる、以外の「さつまいも新ジャンル」を提案したい!
茨城県行方市では、2022年から「さつまいも博」に参加してきました。
過去のイベントではさつまいもを使った商品を販売してきましたが、数多くのさつまいもファンが集うなか、スイーツ以外で「さつまいも偏愛家」を表現できるものを作りイベントを盛り上げたいとの思いからアパレルグッズを開発・販売することにしました。「さつまいも愛を身に付ける」をコンセプトに、焼き芋ホルダー、Tシャツ、トートバッグ、キャップ、マルシェバッグ、バンダナ、ステッカーなどを製作。なかでも焼き芋ホルダーは、焼き芋の大きさに合わせて作った完全オリジナルです。焼き芋はもちろん、ペットボトルやビール、スマホもすっきりと収納できます。さつまいも博は20~30代の女性の参加者が多いこともあり、イラストのデザインや色はあえて強く印象に残るものにしています。会場では異彩を放っていましたが、ブースの前で立ち止まり、手に取って「これ面白い」「これかわいい」といくつも購入される方もいました。
全国初!?市役所がアパレルグッズの開発・販売に挑戦!?
市役所がアパレルグッズを開発し、販売するというのは全国的にもかなり珍しい取り組みです。「さつまいも」は行方市の名産品のひとつですが、特に若い方たちには知られておらず、認知度を上げていくことが課題となっていました。しかし、さつまいもそのものを訴求しても目に止まりにくく、若い世代に興味を持ってもらうアイデアが必要でした。今回製作したアパレルグッズについては、さつまいも好きのZ世代を中心に普段も身につけられるアイテムを選定。その上で、持つ人の個性や主張、さつまいも偏愛家が際立つようなビビットなイラストを使い、幾度となくデザイン検証を重ねました。
行政発だからこそ「脱・行政」、「脱・保守的」を目指す!
行政の視点でグッズを製作すると、市の名称や市章を入れることが大前提となり、デザインは保守的で垢抜けなくなってしまいます。その結果、イベントでは身につけてもらえますが、会場の外に出た途端「ちょっと恥ずかしくて使えない・・・」とお蔵入りになりがちです。そこで今回のグッズには「行方市」や「NAMEGATA」という名称や市章を入れないことで普段使いできるようにし、ふとしたときに行方を思い出してほしいという狙いがあります。今後はアイテムをもっと増やしていき、色々なものとコラボしながら「食べるだけではないさつまいもの楽しみ方」を広げていきたいと考えています。グッズは、行方市のECサイト「なめがたさんちの特選マルシェ」や、ふるさと納税の返礼品として購入いただけます。
行方市長にインタビュー!
「こんなに尖って大丈夫ですか?」
行政が参加するイベントはどちらかというと真面目で堅いものが多いのですが、全国各地からさつまいも好きが集い、お客さんとの距離が近い「さつまいも博」に出店することで、今までとは違うターゲットに周知できると考えています。さつまいもだけでなく、若い世代がスッと入っていけるような尖ったグッズを展開することで「行方かんしょ」や「行方市」に興味を持つきっかけを作りたいと思い、行政としてはかなり思い切った挑戦をしました。イベントでの広報活動を通じて認知度向上を図りながら、生産者のモチベーションや収入アップにも繋げていきたいです。常識や手法に捉われず、今後も行方市のブランド力を向上させるシティプロモーションの一環として戦略的に推進していこうと考えています。