2023.02.22(水)

さつまいもを売りまくる直売所!?行方市観光物産館こいこい 中根さん

さつまいもを売りまくる直売所!?行方市観光物産館こいこい 中根さん

1日わずか数万円の売上だった暗黒時代…

「このエリアは平成12年に茨城県で7番目の道の駅“道の駅たまつくり”として開業し、平成19年に観光物産館こいこいがオープンしました。今でこそ道の駅でその地域の農産物が当たり前のように販売されていますが、当時はまだ珍しいスタイルでしたね」と話すのは、道の駅たまつくりに併設されている観光物産館こいこい店長、中根延枝さん。オープン当初は1日数万円しかなく苦労したそう。「私自身も農家育ちでしたが、農家さんとお客さんがこの場所で直接つながるというのは衝撃的でした。自分が栽培した野菜が目の前で売れていくのを目の当たりにすると農家さんも次第に積極的になり、それにあわせて売上も少しずつ伸びていきました。最近はブームの影響もあって、さつまいも、焼き芋、干し芋がよく売れます。遠方から車で来る若い世代や家族連れも増え、農家さんとお客さんが出会う要衝になっています」

さつまいもを売りまくる直売所!?行方市観光物産館こいこい 中根さん

さつまいもを“爆買い”する日本人観光客!

「このお店で取り扱っている9割くらいの商品が地元で作られたもので、生産者の名前が書かれています。さつまいもをはじめとする農産物のほか、霞ヶ浦が近いので生のシラウオ、川魚などの加工品も人気です」と中根さん。霞ヶ浦大橋のたもとにあるため、休日は観光客の立ち寄りスポットになっているが、平日は地元の方も多く来店するそう。「生産者の名前が書いてあるので、『今日は◯◯さんちの野菜は入荷している?』と連絡をいただくこともあります。今は143軒の生産者と取引があり、さつまいも農家さんは10軒以上あります。特にさつまいもはリピート率が高く、昨日は1人で18箱も買っていくお客さんがいましたよ。自宅用に買って食べたらおいしくて、次に立ち寄ったときにまとめて買って知り合いに発送する方も多いです」

さつまいもを売りまくる直売所!?行方市観光物産館こいこい 中根さん

店頭で接客する中根さん

今、SNSで話題沸騰中の品種はコレだ!

生鮮品を多く扱うため安定的に数量を確保するのが大変なのだという。「お菓子や乾物などはある程度は在庫できるのですが、生鮮品は天候の影響もあるので決まった数を常に確保しておくのは難しいです。農家さんも色々な場所に出荷しているので、日頃から信頼関係を築くことも重要です。最近ではSNSで話題となった“すずほっくり”というさつまいもの問い合わせが増えました。食べた方が『栗みたいにホクホクしていておいしい!』とSNSで発信しているようで、私たちも情報のアンテナを広げてお客さんのリクエストにすぐに応えられるようにしています」

さつまいもを売りまくる直売所!?行方市観光物産館こいこい 中根さん

新名物開発極秘プロジェクト進行中!?

「お店の一角にイートインコーナーが併設されているのですが、霞ヶ浦で獲れたナマズを使った行方バーガー“なめパックン”が人気です。白身魚のような味わいで、土日には200食くらい売れるヒット商品です」と中根さん。“なめパックン”に続く第二、第三のヒット商品を開発したいと模索しているという。「さつまいもは、ここの稼ぎ頭ですが、焼き芋や干し芋に続く新名物を作りたいです。スライスして天ぷらにして、片手で手軽に食べられるワンハンドフードもよさそうですね。天ぷらカーを作って各地に走らせたら面白そうです」とアイデアが湧く。「今は休憩場所として“通過点”として利用されていますが、これからはここを“目的地”にしたいです。バーベキューやキャンプ、サイクリングなど1日中滞在できるプレイスポットにして、多くの人に景色や地域の魅力を体感してもらいたいですね」と夢を膨らませる。

さつまいもを売りまくる直売所!?行方市観光物産館こいこい 中根さん

行方市観光物産館こいこい

・住 所

茨城県行方市玉造甲1963-5

・電 話

0299-36-2781

・営業時間

9:00〜18:00

・定 休 日

元日のみ休み

https://www.namegata-koikoi.com

中根 延枝(観光物産館こいこい 店長)

茨城県行方市出身。実家はいちご農家。高校卒業後、霞ヶ浦ふれあいランドに就職し、現在は「観光物産館こいこい」で店長を務める。地元から一度も離れたことのないほど地元愛が強く、生産者とも信頼関係の深い行方の情報通。行方のことは、この人に聞けば間違いない。