2023.02.22(水)

メルカリでさつまいもを売る新進気鋭。渋谷農園 渋谷 真衣子さん

メルカリでさつまいもを売る新進気鋭。渋谷農園 渋谷 真衣子さん

さつまいもに囲まれて遊んでいた幼少期

「さつまいも農家に生まれたので、物心がついたときには既にさつまいもに囲まれていて、芋の隣で遊んでいました」と笑うのは渋谷農園の渋谷真衣子さん。調理と製菓の学校を卒業した後、地元のケーキ屋さんに就職したそうだが、数年前から実家の農業を手伝っているという。「以前から休みの日に芋掘りを手伝ったりしていましたが、ほうれん草などの葉物と違いさつまいもは重量があるので、歳を重ねた父や母の負担を軽くできればと思い本格的にはじめました。私自身、トラクターは運転できないのでその脇で手伝っているような感じですが、土や肥料のことなど、知れば知るほど実は奥が深いと感じています」

メルカリでさつまいもを売る新進気鋭。渋谷農園 渋谷 真衣子さん

『メルカリで売れるのか?』と半信半疑な父

「うちは問屋さんや焼き芋屋さんと直接取引することが多いのですが、別なアプローチで販売してみたいと思い、ホームページやメルカリなども活用しています。メルカリの掲載用に写真を撮っていると、父に『そんなやり方で売れるのか?』と言われることもありました。当初はなかなか売れませんでしたが次第に売れるようになり、今はリピートしてくださる方もたくさんいます」と渋谷さん。海外から問い合わせが来たこともあるそうで、情報発信の大切さを実感しているという。「突然、海外から『私たちにさつまいもを売ってください』というメッセージが来ました。何トンという規模感だったので、うちのような小さな畑では対応できないのでお断りしましたが、インターネットを活用すれば家族経営の小さな農家でも、国内はもとより世界にも発信できるのは面白いですね」

メルカリでさつまいもを売る新進気鋭。渋谷農園 渋谷 真衣子さん

真衣子さんがイラストを描いたパッケージ

作るだけの農家はもう時代遅れ!?

栽培や販路を急拡大するつもりはなく、目が行き届いたものだけを販売したいと話す渋谷さん。「袋詰め一つとっても父、母、私で詰め方が違います。それぞれに担当するお客さんがいるのですが、自分で袋詰めしたものを届けて『この間のおいしかったよ』と言われるとやはり嬉しいです。買い手やニーズはどんどん増えているのですが、農家は減少しています。私たちのような若い世代がインターネットを使ってさつまいもの魅力や栽培の魅力を発信することで、興味を持ってもらえる人が少しでも増えたら嬉しいですね」

メルカリでさつまいもを売る新進気鋭。渋谷農園 渋谷 真衣子さん

絶対的王者「焼き芋」を超えるスイーツを作る!

「さつまいもは色々な食べ方を試してきましたが、果糖や小麦を加えると似たような味になってしまうので、一周まわってやっぱり焼き芋がおいしいと思います。焼き芋にする際、アルミホイルで包んでしまうと蒸し芋になってしまうので、皮のパリパリ感を楽しむならそのままトースターで焼くのが一番です。とはいえ、ケーキ屋さんで働いていたこともあるのでスイーツ作りには興味があります。以前の職場で出会った彼と、我が家のさつまいもを使ったモンブランを作り、直売所で販売しています。品種特性を活かした新しいスイーツができれば、もっとたくさんの人に食べてもらえますね」と新しい食べ方を研究中の渋谷さん。「将来的にはさつまいもを使ったスイーツのお店を開きたいと考えていますが、今は実家のさつまいもを一人でも多くの人に食べていただけるよう、お芋を抱えて毎日奮闘中です」と笑う。

メルカリでさつまいもを売る新進気鋭。渋谷農園 渋谷 真衣子さん

源次郎ポテト渋谷農園

・住 所

茨城県行方市小高1500-1

・電 話

0299-77-1390

http://genjiro-potato.com

渋谷 真衣子(源次郎ポテト 渋谷農園)

茨城県行方市出身。調理と製菓の専門学校を卒業後、地元のケーキ店に3年ほど勤務。現在は農業を営む父と母を手伝い、渋谷農園でさつまいもの仕分け・出荷などに従事。メルカリやインスタを使った直接販売など、固定概念に捉われない販売方法に挑戦する新進気鋭。